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映画の設計図を書くのが脚本家=彼らはどんな人で、どんなことに関心があるのか?! [映画業界物語]

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映画の設計図を書くのが脚本家=彼らはどんな人で、どんなことに関心があるのか?!

映画監督業は体力と勢いが勝負。「いくぜーおー!」というノリも大事。冷静沈着な監督もいるが、体育系タイプが多い。対して脚本家は文化系。集団で何かをするより、1人で本を読むようなタイプ。いつもあれこれ考えている。監督はスタッフや役者を引き連れて、戦わねばならないが、脚本家は1人で物語を構築するのが孤独な仕事。それに向いた人たちが多い。

脚本家の友人、先輩たちを見ていると、本当に何でもよく知っている。(監督がものを知らないという意味ではないですよ)専門家か研究者か?!というような人も多い。知識だけでなく洞察力、分析力も高い。論理的。知的(監督がアホという意味ではないので、よろしく!)文学青年が大人になったような感じだ。

彼らは人の思考、心理にも敏感。なぜなら、シナリオを書くときに「心理」というのが大切だからだ。主人公を設定するー例えば刑事。熱血漢。正義感強い。一匹狼。そんなキャラ。体育系。格闘技が得意。そんな履歴書も作る。その上で物語を作るのだが、作家が「主人公に***をさせたい」と思っても、できない場合がある。「作家なんだから何でもござれじゃないの?」と思うかもしれないが、その主人公の心理を考えたときに、できないことをさせる訳にはいかない。

例えば「賄賂をもらう」「犯罪を見逃す」ー正義感で熱血の刑事がそんなことをやるはずがない。もし、物語上でどうしても、させるなら囮捜査とかいう展開にせねばならない。というのも、映画だけでなく人間の心理はたいてい一貫している。行動は心理の反映。例えば「私は女優になりたい」という若い女性。でも、レッスンもせず、劇団にも入らない。毎日、遊んでいる。口では「女優になりたい」というが、夢を語っているだけで、現実的に目指している訳ではないのだ。それが心理。

心理=行動は伴う。たまに、思ってもみないことをする友達もいるが、あなたが想像できない何か理由がある。無秩序に行動しているわけではない。そんな「心理」を脚本家はとても重要視する。学生のシナリオを読むと、よく主人公の心理からあり得ないセリフが書かれていたりする。ストーリーを進めるために無理やり都合のいいセリフを言わせているのだ。プロはそんなことをしない。

僕は映画監督だが、一応は脚本家でもある。自分の監督作品は全て僕自身が書き、全て原作のないオリジナルストーリー。だから、僕も「心理」には関心がある。人はどのようにして物事を理解し、学習し、行動に移すのか? いろんな場面で気になる。今回の大統領選のような大きな事件だとワクワク。特に、いつも鋭い意見を発信する心ある著名人たちが、あり得ない指摘や批判をしている。彼らはどのように状況を把握し、判断したのか?聡明な彼らはどこで誘導されたのか?興味がある。

逆に一般の主婦、あるいは会社員なのに、真相を見抜き、鋭い指摘をしている人もいる。真相に辿り着いた過程に興味がある。その人たちを無神経に批判する人たち。その心理も知りたい。悪意がないのに人を傷つける言葉をぶつけている。「実に面白い」(<=ガリレオか!?)

さらに言えば、太平洋戦争中も同じだったのではないか? 「戦争反対」と言えない時代。人々の心理はどうだったのか? 文献ではあまり知ることができない。が、今の状況を見つめることで、その謎も解き明かせるのでは?と感じている。



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