「戦争はいけない」だけではダメ。どうして戦争は始まるのか?=「ドキュメンタリー沖縄戦」はそこを描いた。 [戦争について]
「戦争はいけない」だけではダメ。どうして戦争は始まるのか?=「ドキュメンタリー沖縄戦」はそこを描いた。
戦争映画や戦争ドキュメンタリーを見ると「多くの人が犠牲になった。戦争はいけない。この悲劇を繰り返してはいけない」という結論になることが多い。その通りだし、大切なことだ。が、毎回、疑問を感じる。そんなことは分かっているにも関わらず、繰り返し人は戦争をして多くが犠牲になる。「なぜ、戦争をするのか?」そして「どのようにして戦争は始まるのか?」そこが疑問だった。
そこを描いた作品は意外に少ない。戦争による悲劇はしっかりと伝えているのに、「そもそも」があまり描かれない。つまり、戦争を始めるためのムード作り。「戦争するぞ!」というキャンペーン。国民をどう誘導し、賛成させるか? その辺を詳しく説明することが大事ではないか?ということだ。
今回「ドキュメンタリー沖縄戦」を監督。その辺をしっかり調べた。一番は「教育」。教育によって考える力を奪い、国を守ることの大切さ、戦うことの意味を教える。そして国を挙げてのムード作り。学校を出た大人たちもそれに誘導されて「戦争すべし!」になって行く。
「一億一心」「進め!一億、火の玉だ」「欲しがりません。勝つまでは」「八紘一宇」「大東和共栄圏」
様々なスローガンと嘘で国民を動員して行く。つまり「さあ、戦争始めますよ〜」で国民は納得しない。洗脳し、誘導し、印象操作して「戦争すべし」と自発的に考えるように仕向けるのである。
そんな思想操作は今でも行われている。最近で言えば「悪夢のような民衆党政権」と総理が繰り返しいっていた。そのことで「そうだよなあ。今の方がマシだよな」と国民が考える。実際、悪夢だったのは麻生政権であり、民主党はそこから経済を復活させつつあった。それをすり替えて、安倍政権でよくなったと思い込ませる。
「野党は反対ばかりしている」というのは、自民側から流されたデマ。なのに多くの国民が乗せられた。「野党は頼りない」「野党では政権運営はできない」「反対しかできない」と思い始める。しかし、野党の仕事は「提案」ではなく「反対」すること。良からぬ法案を通さないこと。そして何より、ここしばらくで反対したのは法案の20%であり、80%は賛成している。
要はデマで国民は印象操作され、野党への信頼をなくしたのだ。「と言って自公もダメ」「だから選挙に行かない」と考えさせる。そのことで固定票のある自公が選挙で勝つ。政権が存続する。その流れに国民が誘導されている訳だ。そんな風に今でも巧妙に国民を乗せて、自分たちの都合のいい方向に進めている。
そしてもちろん「教育」は今でも「考える力」を育てない。与えられたことを疑わずにこなすサラリーマンロボット育成だ。テレビを使って簡単に誘導できる。つまり、今でも「戦争するぞ」と国が決めれば、国民を誘導。戦争ができるということ。沖縄戦と同じような方針を取れば簡単だ。実際、あの頃のスローガン「八紘一宇」を言い出した女性タレント議員もいる。「教育勅語」を教育方針に掲げた学園もある。
戦争の悲劇を見つけるだけでなく、なぜ戦争に至ったか? そここそが大事。「ドキュメンタリー沖縄戦」で一番描きたかったところである。
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