「ジュディ」虹の彼方に=ドロシーを演じた名優の悲しい物語 [映画&ドラマ感想]
「ジュディ」虹の彼方に=ドロシーを演じた名優の悲しい物語
単なるわがままな女優!に見えてしまうだろう。見ていてイライラする。が、それがある種の女優。俳優なのだ。繊細で感じる力が強い。普通の人には感じないことを感じてしまう。それで塞いだり、悩んだり。でも、だから素晴らし演技ができる。ジュディ・ガーランドの場合は歌も歌える。
僕は監督業をしているので、多くの女優と仕事をする。第1線で活躍する有名女優にも出演して頂いた。共通するのは感じる力。いろんなことを感じ過ぎる。だから、苦しい。無神経で、極楽とんぼならどれだけ幸せだろうか?という人たちばかり。そんな苦しみを抱えて、我慢して生きるのが俳優業。
だが、ジュディの場合。子役からスタート。映画では当時の抑圧された悲しい記憶しか描かれないが、子役は甘やかされることも多く、常識を学ばないで成長する。そのために大人になっても子供。甘える。ゴネる。ワガママを言う。人気子役をそれを注意されずに大人になってしまう。それがジュディだ。
これはもう本人の責任では無いが、そのことで本人は苦しみ。自分ではどうすることもできない。その悲しさを男性に求め、何度も離婚。しかし、その苦しみを抱えることで、多くを感動させる歌が歌える。クライマックスのステージ。そしてラスト1分で号泣。だが、そんなジュディはロンドン公演の半年後。40代で死去する。
女優とは何と悲しい人生なのか?「ロケットマン」のエルトンジョン「ボヘミアラプソディ」のフレディマーキューリーも、同様。人気者で、有名で、多くに愛されているのに、幸せではなかった。不幸を抱えていないと、感動を伝えることができない。悲しいが、それがアーティストの人生なのだ。
「アメリカの美空ひばり!」と思ってます。
圧倒的歌唱力で子供の頃から活躍、というのにはじまり、
孤独感の漂う人生がどうにもイメージ重なります。
彼女の娘さんと握手してしまいました!(at NHKホール)
娘さんも世界的歌手でオスカー女優ですが、私的には
おおお! ”ジュディ・ガーランドの娘” と握手したぁあああ!
という思いで、しばらく手が震えました。
フレッド・アステアとの「イースターパレード」大好きです。
”乞食のカップル” Couple of swells 素晴らしい!
by 早田 快人 (2020-03-16 19:37)