ある種の人たちとの交流をやめた。その背景と映画を作ると言う仕事。 [MyOpinion]
ある種の人たちとの交流をやめた。その背景と映画を作ると言う仕事。
30代の頃。留学時代の友人だから、学生時代からの付き合いだからと、時々会って飯を食ったりしていた。彼らもまた映画監督を目指していた。共に同じ夢を目指すものとして、あれこれ語り合った。が、いつの頃からか、ある友人は夢を語るばかりで行動が伴わず、「それ意味ないんじゃん?」ということにばかり力を入れーもちろん全て失敗するのだがーそれでいて僕に対してあれこれ注意をしてくるようになった。
「深夜ドラマなんてやってちゃダメなんだよ。それじゃ監督になんてなれねえよ」
人に注意する前に自分の行動を振り返れ!と思えたが「俺の収入は10億が当然だよな〜」とか言い出した頃から会わなくなった。その後、友人はどうしているのか?噂も聞かない。監督デビューしたという話も聞かない。
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もう一人の友人は映画界で働くことを諦め、結婚して会社員となった。最初は今も頑張る僕を応援してくれたが、次第に批判的になり「お前は勉強が足りない!」「ハリウッド映画なんて見ているからダメなんだ!」とか上から目線で言うようになり、付き合い辛くなった。その後、友人は離婚。そのことで荒れていたのだろう。だが、その怒りをぶつけられても敵わない。
ある先輩、無骨だがとても良い人で、いろいろ世話になった。が、あれこれプライベートなことにまで指示するようになる。彼からすると、後輩の僕は、定期収入もなく、結婚もせず、頼りなく、心配だったのだろう。でも、親でも親友からでも、そこまで指示されたくはない。あとで聞くと、お節介で有名な人だったらしいが、あれこれ言われるのは好きではない。
他にも素人なのに、映画のキャスティングや演出についてあれこれ言う人。「俺だったらこうするよ」とか「あれじゃダメなんだよ」とか、それなら、あなたも映画撮ったら?と思うのだが、いろんな人がいろんなことを言ってくる。「それ、僕に言わなくてもいいから!」と思うことが多い。
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そんな風に以前は友人だから、お世話になったから、顔見知りだからと、話したり、食事をしたりしていたが、誤解を恐れずに言うと、それらの人と話す時間がとても無駄だと思えてきた。何も得ることはないし、当て外れの批判を聞くだけ。欲求不満の解消に利用されているような気もした。最初は「これも付き合い」と我慢していたが、ある時からその種の付き合いをやめた。
中には真剣に僕のことを考えて、あれこれ言った人もいただろう。だが、なるほど〜と言うアドバイスをくれた人はいない。もう、僕のことはいいから、別の人のことを考えてあげてほしい。古い価値観を押し付ける先輩も同様。別の若い人に教えてあげるべき。僕には必要ない。と言うのも映画を作るには、物凄い時間が必要。題材を調べる。把握する。考える。物語を考える。起きている限り、そんなことを考えている。
結婚して奥さんのことを考えたり、子供の将来を考えたりと言う時間も全て映画製作のために回したようなもの。最近になってようやく、いろんなんことが見えて来た。昔からの疑問の答えが見つかる。そんな助けになる友人は今も付き合いがあるが、悪意がなくても、的外れな説教やどちらでも良い世間話をする人たちと付き合うことが無意味に思えてならない。ま、監督業をやるような奴は変人だと言うこと。
会社員にはやはり、なれなかっただろう。同じ会社にはいろんな同僚がいて、アホな上司もいる。そんな人たちとは、良い仕事はできないと思ってしまうから。映画製作はできる人を集める。仲がいいからとできない奴を呼んだりしない。嫌な奴と付き合う必要もない。ただただ、いいものを作るために頑張れる。やはり、そんな仕事が合っているのか...そんなことを考えてしまう。
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