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30代で女優を目指した女性。夢を追うには遅すぎるのか?=それでも必ず何かのプラスになる。 [映画業界物語]

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30代で女優を目指した女性。夢を追うには遅すぎるのか?=それでも必ず何かのプラスになる。

以前、30代の女性から「女優になりたいんです!」と相談を受けた。ルックスはいいが、演技経験はない。知り合いのお嬢さんで、まっすぐで真面目な子だった。通常、女優になるには10代。それも中学、高校時代から事務所に入りレッスンを受け、仕事を始める。子供の頃から子役として活躍する子もいるので、早すぎると言うことはない。

逆に、20歳過ぎてから、あるいは大学を出てからスタートというのは遅すぎる。それで成功する人は本当に少ない。多くは10代でブレイクして、年齢に合った役を演じて行く。すると友人がこういう。

「山口智子は30代でブレイクしたんだよ。30代にスタートしても大丈夫じゃない?」

が、山口さんは30代でスタートしたのではなく、22歳でモデルの仕事を始め、その後、NHKの朝ドラで主役を演じ、30代で大ブレイクした人。30代でスタートしたワケではない。女優だけではなく、ミュージシャンでも、漫画家でも、映画監督でも、スケートでも、バレーでも10代ですでに勉強をスタートしていない人が20代30代から始めてもなかなかものにならない。

多くが勘違いするのは「テレビで見る女優の**さんは可愛くないのにドラマに出ている。私の方が可愛い」という勘違い。可愛さで芝居はできない。または「才能があレバ30代でもいい芝居ができる」という思い込み。才能なんて存在しない。演技をする「資質」を何年もかかって磨いて「実力」になる。それが分かっていない。そんな話をしたら、その子は

「30代からスタートして誰も成功していないなら、余計にファイトが湧いてきます。頑張ってみます!」

と言っていた。厳しく書いたが、僕は30代スタートでもいいと考える。10代からやっている人にはいろんな意味で叶わないが、3倍努力して、劇団等でバンバン芝居をする。命がけでかかれば実力は育つ。かなり厳しいし可能性は低いが絶対に不可能とは言えない。

ただ、俳優事務所は30代で実績なしの人を取りたがらない。業界人が「君は大丈夫だ。応援する」とか近寄ってきても目的が別であることが多い。それでいて若い女優予備軍と戦い。同時にすでに大成功している同世代の女優に負けない芝居を要求される。その厳しい戦いに勝ち抜けばプロとして認められるはずだ。

でも、これまでにプロになった人はいるかもしれないが、ブレイクしたり、注目され、その後も活躍した人は皆無。別の例を上げると30代から野球を始め「プロ野球選手になる!」というのと同じ。「イチローだって40代まで頑張ったんだ。俺も30歳だけど、これから頑張る」というようなもの。そう聞けばいかに無謀なことか?納得してもらえるだろう。なのに演技はプロ野球よりは簡単と考えてしまう。

先の30代の子。その後、連絡がない。僕が映画を撮る時に「出たい!」という連絡もない。何年かして結婚したと聞いた。でも、それは夢破れたということではない。プロにならなくても、女優を目指して頑張った日々は人生の宝物になるはず。あとの人生で生きてくる。成功することが全てではない。30過ぎて、40過ぎても、もし夢があれば頑張るべきだ。必ず、それは人生のプラスになる。


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