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自分が選んだ道でロングランしたいなら、遠回り。学生時代に勉強なんてしていてはいけない?! [映画業界物語]

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自分が選んだ道でロングランしたいなら、遠回り。学生時代に勉強なんてしていてはいけない?!

僕が20歳前後の頃。学生映画ブームというのが起き、多くの若者が8ミリ映画を作り、プロを目指した。アメリカではスピルバーグ、ルーカスという20代でデビューした監督がいて、日本でも大森一樹、石井聰亙という若手監督が活躍していた。彼らに続けと、高校生も、大学生もカメラを回した。

それまでの時代。映画界は10年以上助監督を務めてから監督デビューというのが慣習。早くても30代。20代デビューなんてありえない。でも、時代は若い感性の作品が支持され、映画会社で長年勤めたベテランの作品はウケなくなっていた。そんな背景もあり、若きフィルムメーカーたちが奮闘。デビューを目指した。

僕もそんな1人。言っている間によく知る人がプロデビューして行った。物凄く焦った。何で彼が?僕の作品も負けてないのに!葛藤しながら、8ミリ映画を作り続けた。が、ある時気づいた。物凄く傲慢なことに気づいた。もし、デビューできたとして、そのあとはどうする。映画を1本監督して人生は完結!ではない。そこからがスタートなのだ。

30代、40代、50代でも映画を撮り続けなければならない。いや、それなりのヒットを取らなければ、その時点で終了。それが監督の定めだ。業界の先輩たち。40代で1本監督したが、その後、20年1本も撮っていないという人がいた。監督業はしているが映画は1本もないという人もいる。物凄く厳しい世界だ。その中でどう戦っていくのか? 

というのも、学生時代に3本の8ミリ映画を撮った。シナリオも自身で書いた。この先、何を撮りたいか?と考えたときに何もないことに気づく。僕の作品は青春ファンタジータイプ。高校時代の経験を元に、そこで何かが起こる!というもの。NHKで昔、やっていた「少年ドラマシリーズ」や大林宣彦監督の「尾道シリーズ」の路線だ。そんなスタイルなら、あと何本か撮れる。が、それではやがて飽きられる。

芸人と同じ。同じことの繰り返しでは支持されない。色々と経験し、自分しか持ってないカードがないと勝負できない。30代40代を駆け抜けることが出来ない。今でいう一発屋になってしまう。幸いか、不幸にもか? 僕は23歳までにデビュー出来ずに、高校時代からの夢であったアメリカ留学を決行した。

それが正解だった。アメリカ生活は様々なことを経験させてくれた。海外から日本を見る視点。日本がいかに世界の非常識であるか? 映画作りは技術だけではない、視点や考え方が大事。それが世界観を作る。さらに帰国後のライター業も物凄く勉強になった。長くなるので別の機会に書く。

結局、監督デビューするのは34歳。映画監督でデビューは40歳を超えてから。でも、そこまでにあれこれ経験していたので、6本の映画が撮れた。どれも焼き直しではない。そして全て原作のないオリジナル・シナリオだ。今、依頼をもらってもスタートできる企画は5本くらいある。

もし、あの頃、運よく20歳で監督になれていたら、一発屋で終わっていたと思える。あの頃の自分にあったのは若さだけ。経験も知識もない。あの当時に羨ましかった20代デビューの友人はもう、何年も映画を撮っていない。手持ちのカードを使い果たしたのだ。若い人に伝えたい。ロングランしたいなら遠回りすること。高校、大学時代は勉強なんてしてないで、自分がやりたいことをやり、興味あることを調べるべきだ。それが大人になってから役に立つ。



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