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映画「ハクソーリッジ」はなぜ、「沖縄戦」であることを隠して宣伝したのか? [沖縄の現実]

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映画「ハクソーリッジ」はなぜ、「沖縄戦」であることを隠して宣伝したのか? 

「ドキュメンタリー沖縄戦」の編集に戻る。プロローグの太平洋戦争の経緯から、嘉数高地の戦闘まではできているので、続きだ。時系列で行くと次が前田高地の戦闘。映画「ハクソーリッジ」の舞台となった場所。戦争に詳しい友人が言うには

「あの映画はかなり嘘がある。あの戦闘の場所はあんなに広くない」

とのこと。そして日本公開時には沖縄戦であることを配給会社は伏せて「戦争映画」として公開している。描写に問題があると批判されるのを避けるのが目的か? それとも社会派と思われるのが嫌で、感動ドラマとして売りたかったのか? 沖縄が舞台であることを避けた宣伝だった。映画を見ると、決して史実を曲げたり、昔はよくあった奇異な日本人像を描いたりはしていなかった。「人は殺したくない」というアメリカ人兵士が医療兵として沖縄戦に参加した、事実を元にした物語。

興味深いのは監督がメルギブソンであること。あの「マッドマックス」「リーサルウエポン」の俳優だ。出演はしていない。以前にもアカデミー賞候補にもなった映画「ブレイブハート」を監督しているが、今回もヒューマンドラマ。そこから考えると、日本の配給会社が「沖縄」ということで過剰に反応したというふうに思える。

その背景には批判を避けたいということだけではなく、本土の人間が沖縄に無関心であることも上げられそうだ。辺野古問題、オスプレー事件、米軍機墜落、基地問題。様々な問題を沖縄は抱えているのに、多くの日本人は他人事であり、関心がない。テレビでも多くは報道しない。僕も基地建設問題は知ってはいたが、三上知恵監督のドキュメンタリー映画「標的の村」を見るまで、あそこまで酷い状態だとは知らなかった。

その意味で配給会社は「沖縄」というと興味を持たれないという心配をしたのかもしれない。そのようにして沖縄問題を扱わない、報じないことが、さらに沖縄問題に対する関心を低くしている。その意味で今回の「沖縄戦」ドキュメンタリーは少しでも沖縄に関心を持ってもらうために役立てたい。

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