ネットでは分からない沖縄の事情。知事選のことを聞いてみた。

ネットでは分からない沖縄の事情。知事選のことを聞いてみた。

沖縄県知事選の後。取材で訪れた時にタクシーの運転手さんとか、さりげなく選挙のことを聞いてみた。東京でも多少は報道されたが、テレビを見ていても真実は伝わらない。が、自民や公明が物凄い動員をして自前の候補を応援しているとの情報。

進次郎や官房長官まで現地入り。圧倒的なパワーの前にデニー候補は破れるのか？という不安もあった。一方、ネットでは多くがデニー候補を応援。地元ではオール沖縄として、翁長知事の後継者として多くが支持しているという話もあった。

思い出すことがある。細川＝小泉コンビで反原発を掲げて都知事選に立った時も、ネットではかなり支持が多かった。もう一人の反原発の支持も多かったが、都内の細川候補の街頭演説に行くと物凄い人が集まっていた。回を重ねるとどんどん増えていく。聴衆の反応もかなりよかった。

応援団というより、一般の人たちが聞き入り、感動している様子も見受けられた。これはもう細川勝利！だと思えた。当時、自民が押したのが舛添。こちらも演説を見に行ったが、寂しい限りの人しか集まらず。演説もそこそこに候補者は去って行った。どう考えても、細川だ。現場でも、ネットでも、圧倒的に細川だった。

それが蓋を開けると舛添勝利。嘘だろ〜。不正があったのではないか？という声も聞いたが、そうでなければ自民の選挙体制というのは、見た目では分からない強大なものがあるということだ。演説で感動を呼ばなくても、自民が推薦すれば確実な票が入るということだろう。その時と同じ悲劇が沖縄でも起こるのではないか？と心配だった。

それがデニー勝利！沖縄の人たちは凄い！と、その日は1人乾杯した。しかし、僕は現地にはいなかった。県民はどう思っていたのか？沖縄戦の取材時に聞き込みをした。タクシー運転手さんに聞いた。

「選挙。凄かったんですってねえ？」

が、運転手さん。警戒する感じ。差し障りのない答え。そこでどちらを応援しているとか言わず、沖縄になんて興味ない〜という風にあれこれ聞いてみた。こう言われる。

「デニーさんは人気あったけど、自民の候補が勝った方が公共事業が増えて景気が良くなるんだよね....」

別のところで、こんな話も聞いた。現在建設中の大きな公共建設物。それが現在ストップしているという。完成すれば多くの人が訪れて収入に繋がる。なぜ、ストップ？

「大きな声じゃ言えないけど、この町の市長は自民でないから。あのSが補助金を止めているんだよ。前の選挙で自民候補が敗れたんだ」

他でも自民が勝てばよかったのに...とか、沖縄では公明が強いという話も聞いた。また、オール沖縄といっても色々で、全員が一致協力しているわけではないという人もいた。

聞いた話が全て真実とは限らない。でも、メディアからは伝わって来ない話が色々聞けた。ネット情報でも気をつけて接することが大事と感じる。現実は別のところにあることが多い。