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トラブルが事件になり、多くの人が迷惑する時。こんな構図が背景にあるのでは? [映画業界物語]

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トラブルが事件になり、多くの人が迷惑する時。こんな構図が背景にあるのでは?

トラブルが事件になり、多くの人が迷惑する時。こんな構図が背景にあるのでは?

どこの会社でも、部署でも、あるいはバイト先でも、必ず1人は困ったちゃんがいるものだ。撮影の時も同じ。その1人のためにいろいろと問題が生じる。僕の持論だが、

「問題児が1人いると、トラブルが起きる。2人いると事件になる!」

つまり、1人だとトラブルを起こし、周りが迷惑するだけで済むが、もう1人問題児がいると、似た者同士結託して、トラブルでは済まず、事件に発展するということ。例えば、困ったちゃんがあれこれ不満を言い出す。予算やスケジュールからすると出来ないことを主張する。1人ならば、皆「分かってねえ奴だなあ〜」と相手にしない。だが、もう1人問題児がいて、それに賛同しがち。

「そうだよ。おかしいよ。それって理不尽だよ〜」

そうなると、通常なら文句を言わない奴まで、同調して「そういえば、そうだな〜」とか言い出だす。予算的にもスケジュール的にも無理なことなのに、次第に不満が募り、多くがいろんなことに対して文句を言い始める。

このケースはご近所問題でも、会社でも、学校でもよくあることだ。我慢しなければならないことがある。解決する順番がある。予算的に無理なこともある。でも、それを理解せず不満を言う奴がどこにでもいる。1人なら周り賛同し辛いが、2人になると、問題点をよく理解していない人たちが同調してしまう。

自主映画をやっていた時も、何度か経験した。演出は監督が決めるもの。なのに、友人が

「そこはこっち撮った方がいいんじゃねえか?」

とか言い出すことがある。それがダメなことを説明する。そのために時間が取られる。この手の人は確かな方法論がある訳ではなく、気分で発言したり、単に主導権を取りたいと言うことが多い。そこにもう1人。同調してしまう困ったちゃんがいると、

「俺もそう思うな。こっちから撮った方がいいよ!」

と言い出す。却下すると「やってられないなあ。やめようぜ〜」となりがち。「だったら、多数決で決めようぜ!」とか撮影現場で言い出した奴もいる。そして、深く考えずに

「僕もそう思うなあ〜」

と言い出す奴がさらに出てくる。こうなると問題児が文句を言うレベルではなく、撮影を中断。根本から話し合いをしなければならなくなり、最初の決め事はパーになり、空中分解や解散ということも起こる。学生映画はこの手の事件で潰れることが多い。

映画は監督の演出を尊重して進めるものだが、知識のない大学生とかが参加すると、多数決と言い出したりすることがある。1人なら辞めてもらう手もあるが、2人問題児がいると、他の人も巻き込まれて事件となることが多い。さらに困ったちゃん達は個別に他の仲間にアプローチ。監督の悪口を言い同調者を増やそうとする。

よく例に挙げるが、学生映画を作っていた頃。集合時間に遅刻する学生がいた。これが1人目の困ったちゃん。30分経っても集合場所の駅前に来ない。「置いていこう!早く撮影場所に行かないと時間がなくなる」というと、

「可愛そうだから待ってやろうよ〜」

と言い出す者がいる。これが二人目の困ったちゃん。すると「そうだ。可愛そうだよ」と同調する奴が出てくる。到着したのは1時間後。その日の撮影予定が消化できずに終わる。

全員が翌日もその場所に来なければならない。原因は遅刻してくる奴がいたから。彼があとから現場に来ればよかったのだ。それを「待とう」という奴がいた。そのために多くが賛同した。そうして時間も費用も無駄になったのだ。学生映画なので全員自腹。2人の困ったちゃんのために、全員の損失となる。それが大学の映画サークルなら分かるが、将来はプロを目指して頑張ろうという仲間だったから大変だった。つまり、

「少しでもいい作品を作ろう! プロを目指しているんだから!」

と思いながら、「遅刻した友達が可愛そうだ」という思いを優先。撮影のことを忘れて皆の、足を引っ張ったということだ。似たようなことはプロの世界でも時々ある。本当に大切なことが分からず、個人的なことを優先したり、予算やスケジュールを考えずに行動。あるいは古い価値観を振り回す。主導権を奪いたい。

そんなことで文句を言う。主張する。それに同調するさらなる困ったちゃんが出てくる。だから、スタッフを選ぶ時、キャストを選ぶ時には注意する。ただ、そんな困ったちゃんがプロデュサーであることが多い。

監督に自分の趣味を押し付ける。自分になびきそうなスタッフを引き込み、仲間を増やし意見を通そうとする。そんなことをしていい作品になるわけがない。監督とプロデュサーが対立しても何らいいことはない。駄作になるだけ。なのに

「このままではダメな作品になる。俺が言わないと!」

と視野の狭いPがあれこれ言い出して現場を混乱させる。本人は問題解決しているつもりだが、実際は問題を作り出している。どんな仕事でもそうだが、目先のことや個人的な趣味で発言しても何もならない。

全体を俯瞰して、最初に決めた目的に到達できるように、どうアプローチするべきか?を考えること。だが、それが出来ない人もいる。何度か触れてきた「状況把握能力」の低い人たち。それが

「困ったちゃん」

なのである。取り巻く状況や問題を把握していない。古い方法論や価値観を振り回す。自分の立場を超えた発言をする。周りを引き込み、事件になる。

パニック映画に必ず出てくる「嫌なオヤジ」的キャラクター。正しい道を主張する主人公に片っ端からケチをつけて、周りを危険に晒す奴。昔はそんな奴に何度も邪魔された。

最近は実力も良識もあるやり手スタッフが集まっているので、そうしたことはなくなったが、今でも注意する。「問題児が1人だとトラブルになるが、2人いると事件になる」要はここでも「状況把握能力」の低い人が問題を起こしやすいと言うことだ。


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