沖縄戦ではこんな少年まで戦争に駆り出された=「24時間テレビ」オリンピックと同じ構図? [沖縄の現実]
沖縄戦ではこんな少年まで戦争に駆り出された=「24時間テレビ」オリンピックと同じ構図?
戦争は軍人が参加するものと思えていた。女子供、年寄りは残されて若い男子が徴兵。戦闘に参加するものと考えていた。しかし、国が始めた戦争になぜ、若い男子は強制的に兵隊にさせられねばならなかったのか?志願ではなく徴兵。国が「戦争に行け」と言われたら行かねばならない。そして多くが戦死した。それが太平洋戦争だった。
しかし「ドキュメンタリー沖縄戦」取材で沖縄戦はもっと酷かったことを知る。若い男性だけではない。兵隊に取られなかった14歳から70歳までの男性も、防衛隊等に所属。軍人のお手伝い。荷物の運搬等をさせられていた。女性も飛行場建設等に参加させられ、切り出した石の運搬等。女学生も学徒動員。病院で治療の補助、看護をさせらた。映画「ひめゆりの塔」でも描かれている。
そんな風に兵隊以外の住民も強制的に戦争に参加。嘉数高地の戦いでは避難中の住民を強制的に参加させ、戦闘の最中に銃弾、爆弾を運ばせたという。なぜ、14歳から70歳までを戦いに参加させる必要があるのか? いろいろ理由はあるが、ひとつにはコストのかからないタダの労力なので利用したのではないか?(一応、空港建設等は賃金を払うという規定はあったが、ほとんどが支払われていない)
全戦死者20万656人の内、日本軍人関係が2万8228人。対して沖縄住民が9万4000人。軍人の4倍以上の戦死者を出したのは、それが理由である。
そんなことを考えていると先日、「24時間テレビ 愛は地球を救う」という番組が放送された。国民に募金を呼びかける。だが、テレビ局はしっかりとスポンサーから膨大な広告料をもらう。街角で寄付を呼びかける人はただ働き。そして来年のオリンピックでも、多くの人が無償で炎天下に働く。しかし、競技場を作ったゼネコンや人材を派遣するパソナは膨大な額を受け取っている。
沖縄戦と似た構図に思える。国の勝手で始めたことで国民にタダ働きさせる。が、上の方には大儲けする人たちがいる。戦中も戦後も政府のやり方は同じではないか? 沖縄戦を見つめることでいろんなことが見えてくる。「ドキュメンタリー沖縄戦」は秋に沖縄で完成披露試写会を予定しているとのこと。日時場所は決まったら告知させてもらう。
「官邸ポリス」驚愕の事実は描かれておらず、疑問ばかりを感じる。総理は悪くない!工作は全て官邸ポリス? [読書]
「官邸ポリス」驚愕の事実は描かれておらず、疑問ばかりを感じる。
結論から言うとお勧めない。内容に疑問が多く、不可解な点ばかり。内容は元警察官僚が事実を元に詩織さん事件、前川事務次官事件等の裏側を誰だか分かるような仮名で描いている。「原発ホワイトアウト」のようなスタイルだと思える。そこから実際はどうだったのか?を伝えるために小説の形を借りた暴露ものと思えた。
が、読みだすと、どのエピソードもあらすじのような展開。へーそうなのか!と驚く内容はない。TBSの支局長が政府関係者に頼み、レイプ事件を揉み消してもらう話もあるが、すでに言われている通り。具体的な形で流れか?を説明するだけ。それ以外の話はさらに情報が少ない。著者は事件に関わった官邸ポリスの一員ではなく、官邸にはいるが別の部署で、その種の事件の真相を推理しただけではないか?
確かに官邸や組織内の描写はリアルで、その中で仕事をしていたことが伺える。尾行の仕方。部署間の軋轢等も経験した者が書いた説得力がある。が、事件については聞きかじっただけ?と言うほどあっさりしている。映画界にいる人間なら、***監督の現場はキツイ!と聞けば何が問題で、あの監督ならこのことで揉めるだろうと言う想像ができる。それと同じレベル。
さらに引っかかるのは、92%が事実と言いながら、明らかに事実と異なる描写があること。広島での災害を総理が手際よく対応したことで、国民からの評価が上がったとの話が出てくるが、そんなことってあったかな? 豪雨で大変な時期に赤坂で宴会やって顰蹙買ったことはあったが...。
さらに、森友事件は「詐欺師(籠池夫婦)に総理夫人が引っかかった事件。総理から何ら指示は出ていないが官邸ポリスが処理した」と言うことになっている。総理が寄付した100万円も籠池さんの捏造という説明。国民の多くは「籠池が夫人を騙した」と考えているという劇中のセリフもあるが、そうだったけ?(真実でない8%はこれら?)
他の事件隠蔽も全て総理は関わらず、官僚の忖度によるものとして描かれている。総理にとても好意的な表現が多く批判なし。工作は全て官邸ポリスがやったことになっている。籠池さんの事件の真相は置くとしても、災害対策。森友事件に対する国民の認識は明らかに違う。前川事務次官事件も、風俗店に出入りしていたというところまでで、その後の展開が描かれていない。あれでは単なるスケベ・オヤジだ。
こんな風に官邸側の暗躍を描くというより、官邸ポリスの活躍を描くものであり、それを皮肉ったものではない。望月記者が著者にインタビューした時も、それを描きたかったと発言。もしかしたら、官邸の横暴を描く物語としては描かれていないのかもしれない。だが、小説として読むにはあまりにも文章力がなく、実名では伝えられない現実を小説の形で伝えるにしては、驚くべき事実はなく、多くの人が知っていることをあらすじにしただけ。んーーー。何なんだこれは?
別件だが、映画の「新聞記者」はこの小説をベースにしたような気がする。主人公は若い男性ー内調勤務で官邸ポリス。彼女は女性新聞記者(政治部)。互いに情報を交換し合う。映画の設定と酷似。では、なぜ「官邸ポリス」ではなく望月さんの本を「原案」と謳ったか? こちらの小説の著者かは匿名。知名度なし。それが背景にあるのでは?とかまた考えてしまう。