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終戦記念日。日本人はあの悲しみを継承できていない?=僕らにできることは何なのか? [沖縄の現実]

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終戦記念日。日本人はあの悲しみを継承できていない?

子供の頃から何度も何度も終戦記念日を過ごして来たのだが、戦争とはどういうものが実感できなかった。ただ、大人たちが

「戦争を繰り返してはいけない」

とは言う。テレビや新聞ではその種のニュースを目にした。その頃「戦争もの」が好きな友達が多く、戦争ゴッコをし、戦艦大和のプラモデルを作った。「トラトラトラ」が放送されると喜んでいた同級生がいた。

にも関わらず、僕は戦争に全然関心がなく、中学時代に映画を見だしてからも「戦争もの」に関心がなかった。ただ、その頃からアメリカの歴史には興味があり、ケネディ暗殺、ウォーターゲート事件の映画を大喜びで観に行った。

大人になり映画の仕事を始めてからは、いつか太平洋戦争を勉強せねばと思えたが、なかなかチャンスがなく、311。原発事故に関心を持ち勉強。政府というのは国民より金持ちのために働くものと痛感。ケネディ暗殺も、原発事故も同じ構図であることを知る。

その後「ドキュメンタリー沖縄戦」の仕事が来て、沖縄戦の勉強を始めた。それだけでは不十分で、太平洋戦争を勉強。それでは足らず日中戦争、日露戦争まで遡らないと背景が見えなかった。政府が沖縄でしたこと。そこで理解する。これも311やケネディ暗殺と同じ構図。歴史はいつも金持ちが政府を操り、貧しいものを踏みつけにして、金儲けする、その繰り返しであった。そして子供の頃。あれほど終戦記念日に大人は「戦争はいけない」と言っていたのに、

「戦争するしかないっしょ?」

という若手議員が出て来た。いや、政府自体が「集団的自衛権」「特定秘密保護法」「共謀罪」等の「戦争法案」を次々に強行採決し、日本は戦争ができる国に戻った。さらに9条を変えるとまで張り切っている。なのに多くの国民はそれに気づかず「まさか戦争はしないでしょう?」と思い込んでいる。

なぜ、日本人はあれほど「戦争はいけない」と繰り返していたのに、こんなことになったのか? それは戦争を知る世代が亡くなって行き、戦争の怖さ、悲惨さを知る人が少なくなったことが一因だろう。僕自身。「沖縄戦」を作るときに、どうすればあの戦争をリアルに体感できるか?でかなり悩んだ。NHK特集を見ても、ドキュメンタリー映画を見ても悲しみが伝わらない。

苦しさ、やるせなさ、憤り、怒り、を伝えることの難しさ。人は他人の悲しみに同情はするが、基本は人ごと。原発事故も同じだった。「朝日のあたる家」のテーマは事故を体感。苦しみと悲しみを伝えること。「沖縄戦」も同じ方法論で挑んだ。問題は「悲劇」が継承されていないことだと感じる。NHKは今年も戦争を伝える番組を流しながら、同時に戦争をしたい政権の大本営発表も続けている。

そんな時代に大切なこと。悲しみを継承するにはどうすればいいのか?戦争を体験した世代は今、80〜90代。10年後には直接話を聞くこともできなくなる。このまま何もせずにいて、いい訳はない。僕自身ができることも、きっとあるはずだ。



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