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自分が監督した映画を反省する時、内容や表現法だけではない反省すべきこと? [映画業界物語]

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自分が監督した映画を反省する時、内容や表現法だけではない反省すべきこと?

基本的に映画の欠点、問題点は全て監督のせいである。「あの俳優が思ったより下手でさー」は通用しない。その俳優を選んだ監督の責任だ。他の映画ではいいけど、その作品でよくなかったとしても、それを見抜けなかった監督のせいだ。カメラも、照明も、シナリオも、それらに問題があっても、その人たちを選んだ監督の責任なのだ。

それを基本として、考える。その俳優がよくなかったら? ーただ、その俳優を選んだのは監督でなく、Pやスポンサーの絶対命令だったらどうか? その俳優ありきで企画が立てられていたらどうか? その俳優が本当にダメで芝居ができず、作品を崩壊させたらどうか? 

それは厳密には監督の責任ではない。が、それならそれで、そのダメな主演をフォローする名脇役を用意する。その俳優がやりやすくなるようにシナリオを直す。話を主人公から少し反らせた話にする(それでいてメインはその俳優)という裏技を使うのが監督の役目だ。

「Pの決めた俳優が大根なので、作品がダメになった」

といっても、監督のその監督であり、詰まらない作品を作る人と思われても仕方ない。では、Pが悪辣で製作費を抜いて、現場費を半分以下にしてしまう。そのためスタッフは十分な人数おらず、美術費も不十分。そんな中でいいものはできない。必要な額、用意されていたのにPが盗んだのと同じ。そんな話はよくある映画界。そのために見るからに安物の作品ができてしまう。

それも監督の責任か?その場合はまず、Pと戦う。大抵は金は出ないが、その時はその製作費の中で戦う。が、次の作品以降は絶対にそのPとは組まない。分かりやすく言えば泥棒だ。例えば3000万の製作費中、1500万も抜けば(Pの会社の利益にすることが多い。厳密には泥棒とは言えない)半額。それでいいものができる訳がない。

その手のPは寄生虫と同じ!生涯2度と組まない。仕事をしてはいけない人たち。次回は信頼できるPと仕事をする。だが、僕の場合は信頼できる!と選んだPにも裏切られたので、次の作品からは自分がPをすることにした。Pをするのに資格はいらない。実際、僕は初監督作品からP業務をやっている。監督に専念するのは撮影の時だけ。だから、2本も経験すればPができた。そんな難しいものではない。けど、「俺は監督だからPはできない」と結局、悪徳Pと仕事を続ける後輩たちもいる。

そんなPがいたら、いい作品はできない。Pだけでなく、いい映画を作る上で邪魔になるものを排除する。それも監督の仕事。そのためにスタッフィング、キャスティング権がある。反省するのは内容だけではない。Pだけでなくスタッフでも、希望する仕事をしてくれない者がいれば交代させる。ベテランを呼ぶ、あるいはやる気のある新人に頼む。そうやって、今、太田組は本当にやる気があり、実力あるスタッフが揃った。だから、いいものができる。

内容だけでなく、そんな部分を反省することも映画作りでは大切だ。監督がいくら優秀でも1人では映画は作れない。素晴らしい仲間がいて始めて良い作品ができる。



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