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沖縄戦ドキュメンタリーで僕が描こうとしていること [編集作業]

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沖縄戦ドキュメンタリーで僕が描こうとしていること

ご存知のように太田組作品は爽やかな「青春もの」のようでいて、実は悲しい物語が多い。「ストロベリーフィールズ」では、交通事故で死んだ女子高生は生き返らない。「朝日のあたる家」で被爆した妹も元気にならず、家族は故郷をあとにする。

「向日葵の丘」では、主人公の親友・みどりは癌で亡くなる。でも、毎回、観客が感動して、涙するのは、それらの悲しいシーンというより、そのあと希望を探して生きて行く主人公たちの姿に打たれるからだろう。

1人生き残った夏美(佐津川愛美)が河原で8ミリカメラをまわす姿であり、「朝日の」の家族が揃って、故郷を車でまわる場面であり、死んだ親友の面影を胸に東京に戻る多香子(常盤貴子)の姿。

そう考えると、今回の沖縄戦ドキュメンタリーも、悲劇的なエピソードが多く紹介されるが、僕がいちばん描きたいのは、劇映画のときと同様に、残された人たちの思いなのだと思える。

対馬丸沈没で生き残った少女であり、集団自決で死なずに生き延びた少年であり、死んでいった仲間を思い、今も沖縄戦を伝える人々が希望を探し、大切なものは何か?を伝えようとしている姿こそがメッセージ。それはこれまでと同じ構図だ。「沖縄戦とはどんなものだったのか?」だけでなく、今回も、それを伝えたいのだと思えている。


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「Zネーション」シーズン2 なかなかの力作揃い。植物のゾンビが登場?! [映画&ドラマ感想]

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「Zネーション」シーズン2 なかなかの力作揃い。植物のゾンビが登場?!

「WD」は多くの人が見ているので、友人と盛り上がることができる(と言っても同世代に見ている奴がいない! こうして皆、時代の波から落ちていくのか?)「明日にかける橋」の撮影の時は、鈴木杏ちゃんと、WDの話ばかりしていたし、その話をそばで聞いていた達也役の冨田君はその後、シーズン1から見だしたとのこと。舞台挨拶時に聞いた。

だが、「Z」を見ている人は周りに誰もいない。面白いのに〜。特にシーズン2からは製作費も倍増?映画並みのアクションが展開する。第2話では60分。ずっと銃撃戦。第3話では巨大トレーラーで爆走。ゾンビとその上で対決。まるで「マッドマックス デスロード」そんなことをテレビドラマでやってしまうから凄い。

シーズン1もそこそこ頑張ってはいたが、全13話。かなり低予算で済ませるエピソードもあった。とは言え、そんな時は脚本で努力。凄いのはレギュラーメンバーのほとんどが出演せず、アディとマックの2人だけで展開する回があった。それも夢、夢、夢で見せてしまう凄い話。

ある回は市民Zが主人公で、NSAの基地にロシアの宇宙パイロットが落ちてくる話。これもオチがかなり斬新。ヒントは犬。どちらも、人にもセットにも、お金かかってなくて、超低予算なのに、面白かった。こうして、節約したエピソードも作りながら、他の回に製作費をかけ、アクションをやっているようだ。

「WD」と違いを出すために、「Z」はかなり「ゾンビブチ殺し場面」が多い。本当に費用がかかる。ゾンビの血が飛び、頭が砕ける。その大量の血糊や造形。マスクを作る。銃やショットガンのエフェクト。それにお金を使うので、時々、地味な低予算エピソードを入れているのだろう。

前シリーズが人気だったので、シーズン2は製作費倍増という感じで、全編アクションの回が続いている。第4話など、ゾンビと植物のハイブリッドが登場。メイクと作り物とセットだけでも費用が大変。「2」は賞金稼ぎが乱入。新たな設定でスタートしたのに、2話くらいから、さらに新しい設定が導入されている。

先に紹介したゾンビと植物のハイブリッド。その前にハイパーゾンビ。放射能で突然変異したゾンビで、物凄い速度で動き、銃で撃っても当たらない。つまり、

①従来のゾンビ
②賞金稼ぎ
③ゾンビのニュータイプ

と、3つの敵を設定することで、盛り上げようとしている。なんだか、ゾンビものを超えつつある気がする。

日本の漫画で、かなり古いが「ワースト」という名作がある。それもゾンビのような人間が変異した怪物がどんどん増える話だが、そこでも怪物が進化、空を飛ぶ種、海を泳ぐ種が出てくる。

まさか、それを読んでいるとは思わないが、その展開を思い出させる。あと面白いのは社会性を時々出してくる。原発事故、新興宗教、そして、腐らないファースフード(明らかにマクドナルドを意識)

さらに、ゾンビに噛まれても死なないマーフィーの子供が生まれる、新たなカードも切ってきた。グロで攻めるドラマと思っていたのに、かなり脚本で攻めてくる。視聴者が飽きる前に次の展開。シーズン2でこれだけのカードを並べると、先が厳しくなりそうな気もする。「WD」はシーズン9。こちらはまだシーズン2だ。

どうなるか?楽しみに今夜も1話。見る。Netflixで。ほんと地上波のテレビ見なくなった....



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「沖縄戦」ドキュメンタリー。作業報告。あと4人分の証言を編集。 [編集作業]

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「沖縄戦」ドキュメンタリー。作業報告。あと4人分の証言を編集。

昨日は重要な打ち合わせがあり、1日外出したので、編集はほとんどできていない。とはいえ、今は説明できない大きな進展があり、これでさらに素晴らしい作品になるので大切な1日ではあった。

ドキュメンタリーでも劇映画でも、監督1人でできるものではない。素晴らしいスタッフと、劇映画なら俳優と。そして理解あるスポンサーがいることで初めて感動作が完成する。それら関係者は皆、仲間であり、同志なのだ。

が、往々にしてスポンサーが一番邪魔をすることが多い。そしてスタッフでも、古い価値観を振り回し、押し付け、もうプロジェクト崩壊の使命を帯びた潜入工作員のような奴もいた。最近は本当に実力も思いもあるスタッフと仕事ができるので、ありがたい。

さて、沖縄戦ドキュメンタリーだ。現在、2日がかりで編集している「渡嘉敷島編」の作業。もう一息で終了だ。そのあとはどうするか?なるべく勢いがついてスピードアップできるところをやりたい。実は一番難しいのが「渡嘉敷島」編だったのだが、それを先に作業することで全体が見える。

その意味で先に作業しているのが、次はどうするか? 7人中。これで3人。後の4人は....。

①「対馬丸事件」
②「チビチリガマ」
③「Zさんの証言」
④「Hさんの証言」

こうして書き出してみると、難しいのは「Z」さんくらいで、あとは時間をかければできる。「渡嘉敷島」ほど複雑ではない。今日が2月3日だから、今月はあと4週間。その間に編集作業を終えて、3月は仕上げをしたい。が、昨日の打ち合わせで、3月第1週まで編集していても大丈夫な感じもある。

それなら5週間。終わりまで行けるはずだ。とは言え、先の4人の証言にプラスして、専門家のインタビューが2人。2時間。あと、数人。戦争体験はないが、意見を聞かせて頂いた方がいるので、その編集も必要。また、現在は緩めに繋いであるが、それを徹底して詰めて行く作業もせねばならない。そのあとはサウンドのチェックだ。

これは本来、スタジオの仕事だったが、その下ごしらをこちらでせねばならない。いつの頃からこうなったのか? パソコン・ソフトで編集ができることで、1人分の仕事が増え、結局、監督がすることになりがちだ。それも含めて、続きの作業を始める。



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僕が「沖縄戦」ドキュメンタリーを作る理由 [沖縄の現実]

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僕が「沖縄戦」ドキュメンタリーを作る理由

昨日はかなり作業できた。とか、考えていて、ふと気づいた。今月分の家賃を払っていない!支払い日からすでに5日も過ぎている。こんなことはこの10年で初めて!(いや、30年で1回くらい?) 我ながら「沖縄戦」にかなり入り込んでいることを感じる。支払いが遅れることはよくないが、集中していることは良いことだ。

しかし、もし、これで嫁や子供がいたら絶対に嫌われるだろうなあ。典型的な「会社人間」。家族を振り返らず、仕事に夢中というお父さん。昭和40年代の。ーでも、それとは違う。

あの時代の、いや、今もいる猛烈社員(モーレツという言葉がやはり昭和!)は戦後、貧しかった日本から裕福になろうと、必死で働いた。家族を幸せにしようと仕事した。結果、妻にも子供にも嫌われ、日曜日は素材ゴミ扱いされるようになるのだが....。

でも、僕の場合は裕福になりたいとか、金持ちになりたいので必死に働いている訳ではない。家族もいないので、いつどこで、のたれ死んでも困らない。ただ、311以降に思うことだが、小出裕章さんがなぜ、京大で原子力を研究しているのに、原発に反対をし、危険性を伝え続けたか? 原発に貢献すれば支援や助成金がもらえ、「教授」にも成れたのに? 

山本太郎さんがなぜ、俳優なのにデモの先頭に立ち、議員にまでなって原発問題や不正を追及するのか? 上杉隆さんはテレビ番組のコメンテーターを何本も抱えていたのに、福島第一原発がメルトダウンしたことを伝え、その後も原発問題を始め、マスコミが触れないタブーを報じ続け、テレビの仕事を全て降ろされてしまった。それでも自分でネット配信を始め「オプエド」でタブーなき報道を続けている。

皆、同じ。金や名誉のためではない。本当に大切なものは何か? いけないことは何か? 危険を止めたい。子供たちを守りたい。そんな思いで、圧力や体制と戦いながら、活動を続けている。いや、彼らだけではない。ツイキャストでマスコミが報じない事実を伝えて続けている人たち。沖縄で戦い続けている人。福島で情報発信を続ける人。

そんな中で僕ができることは何か? 理不尽な世の中で、やるべきことは何か? ただただ、酒場で文句を言うだけではいられない。本質を知りながら、我慢しているわけには行かない。でも、何もできない。最初はそう思ったが、できることがある。映画を作ることだ。

それら問題を考えるきっかになる映画を作ること。それが僕の「仕事」ではなく、やるべきことだと思えた。そのためにはギャラに見合う仕事をしていてはダメ。だから、7倍仕事して、生活費まで製作費に注ぎ込む。どうにか最低限の生活ができればいい。

先に挙げた人たちのような知名度や情報量。そして能力はないけれど、僕ができることで誰かが気づいたり、ハッピーになったりしてくれれば、それは意味ある行動だと思える。この時代を生きている意味があると考える。



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「沖縄戦」ドキュメンタリーの音楽はどうするべきか? [編集作業]

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「沖縄戦」ドキュメンタリーの音楽はどうするべきか?

編集を進めながらも、同時に他のことも考えなければならない。音楽は劇映画でもドキュメンタリーでも重要。「プロジェクトX」だって、主題歌が中島みゆきの「地上の星」だから感動が2倍になる。ただ、今回の作品。予算は本当に厳しい。テレビ局で使う予算の半額以下だろう。しかし、音楽は重要。どうすればいいのか?

同時に、どんな曲をつけるべきか? 考えなければならない。ということで、戦争映画のサントラ盤を聴いてみた。写真の4枚の内。1枚はあれ?というものだが、これも戦争だ。

それと「プラトーン」はドキュメンタリータッチの秀作なので、参考になるかも?と思ったが、収録されているのはベトナム戦争時のヒット曲ばかり。思いっきりハズレだった。映画のための曲は2曲だけ。あと、スピルバーグの2作はいいけれど、両方ともロンドンフィル。今回の予算でその編成での録音はできない。

いろいろ音楽も難しい。


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