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「島守の塔」やはり罪は重い。フィクションを事実の映画化と勘違いさせる宣伝。だが、監督は事実を描いてないことを認識? [「島守の塔」疑惑]

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「島守の塔」やはり罪は重い。フィクションを事実の映画化と勘違いさせる宣伝。だが、監督は事実を描いてないことを認識?

知事を偉人にした理由は突き止めたので、一段落と思えていた。が、同じ監督業として「それはいかんぜよ!」と言う思いと、映画業界あるあるで苦しむ監督の気持ちも分かる気もし、あれこれ考えてしまう。Twitterで調べると、こんな感想があったので、茶々を入れてみる。

「私は島田知事も荒井本部長のことも知らなかったし、史実も知らない事ばかりでしたが、まだまだ戦争を知らない世代へ語り継がなければならないことがあるって改めて実感できました」<=映画の2人の行動は事実ではありませんよ。フィクションです。

「沖縄戦で玉砕主義が採られていく中、「命どぅ宝、生き抜け!」と最後まで叫び続けた沖縄県知事と警察部長の感動の実話」<=そんなこと叫んでいません。小声で言っただけです。あと「実話」でもない。

「これまで「島守の塔」の存在をまったく知りませんでした。こんな方がいたんですね。本土の人(やまとんちゅ)にとってこの映画は必見に値すると思います」<=これが歴史だと伝わるのなら必見にしない方が

「頭の良さだけでなく、人徳が高く、行動力のある島田知事のような方に是非戦後日本の復興の最前線で活躍していただきたかった」<=国の指示通りに戦争を推進した人です。

と、天邪鬼なことを書いたが、この映画が事実であると思っている人が多数がおり、島田知事たちが素晴らしい人!であると真に受けている人も多い。しかし、この映画のチラシ。HPの解説を読めばそう思う。

「鉄の暴風と言われた激しい空襲、艦砲射撃、上陸戦の絶望に追い込まれた沖縄戦。その中で「生きろ!」と後世に一筋の命を託した2人の官僚と沖縄の人々の物語を映画化」

「これフィクションです」という記述はない。ただ「事実の映画化」とも書いていない。「人々の物語を映画」とある。だから、嘘は言ってないけど「事実ですよ〜」と思わせる文章。HPにはこうある。

ー映画「島守の塔」は第2次世界大戦末期、長期の地上戦が決行された地沖縄を舞台に、県民の命を必死に守る戦場の知事と1人の警察部長の
それぞれの苦悩や葛藤などの生き様を通して「人間の命の尊さ」を描く映画を企画しました。「命(ぬち)どぅ宝」の言葉が、戦争の記憶をいつまでも風化させず「人間としての命の尊さ」を発信できるものと確信していますー

これも「事実を映画化」とは書いていないが、どう読んでもそう思えてしまう。フィクションとか、島田知事を脚色しと言う記述はない。そんな中、監督のインタビュー。中国新聞の記事を見つけた。

 「フィクションの劇映画として人間を描いた。さまざまな証言やエピソードを基に人物像や物語を作り上げ、何度も脚本を書き直した」と五十嵐監督。

 やはり監督はフィクションと認識している。つまり、このFB記事で何度も指摘した通りに、島田知事のキャラを脚色、偉人として描いたということ。だが、制作サイドは宣伝でそのことを一切説明せず、事実の映画化!と勘違いする解説をし、HPにそれを綴っている。新聞記事は続く。

ー新型コロナウイルス禍で撮影を1年8カ月中断し、昨年11月に再開。復帰50年の節目に間に合った。沖縄では「美化し過ぎている」「史実と違う」という声も受けた。ー

つまり、沖縄からは当然の批判が出た。これに対する監督の答えはなく、記事はこう続いている。

ー「基地のある沖縄は、まだ沖縄戦が終わっていない」と五十嵐監督。「日本人は忘れやすい。語り継ぐ映画を作り続けることに意義がある」と力を込めた。

これはおかしい。「語り継ぐ映画」?嘘を語り継ぐの? 監督は「フィクション」といい「事実ではない」ことを認めながら、この歴史的な事実を「語り継ぐ」と意味不明の発言。島田知事らの描写以外は事実だ。その歴史の部分だけを「語り継ぐ」ということか? でも、それはご都合主義。

いや、責めるのはやめよう。つまり、島田らの故郷からの支援で映画はできた。偉人にするしかない。だが、事実は違う。脚色し偉人にしたのだ。だから監督はフィクションと言う。

しかし、制作サイドは支援者たちのフィクションとはいえない。「同郷の素晴らしい偉人の映画」と説明し支援してもらった。宣伝でフィクションとは絶対に言えない。ただ、これでは「F50」と同じ。原発の事故の事実を改竄。嘘を交えて東電を称賛したあの映画と、

監督はそれを暴露できない。映画の否定になる。自分としては正直にフィクションだとインタビューに答えたのだ。そこに映画人の良心を感じる。ただ、許されないことがあるー沖縄はどうなるのか? 少年兵起用を承認した島田知事。そのために多くの男子が犠牲になった。会議で「住民に鎌や包丁を持たせて米軍に突撃させよう」とも言った人。

その人を偉人として描き、全国にそれをアピール。県民はどうなるのか? 偉人どころか戦争を推進した人。「美化する」どころではない。そのフォローも説明も一切なし。やはりこの映画。罪が重い。同じ沖縄戦を伝える映画作家として、戒めにしたい。

監督インタビュー記事=>https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=123742


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