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ジョンウェインが監督主演した「グリンベレー」ベトナム聖戦を謳った作品=国民を誘導し戦争を続けるための映画。 [戦争について]

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日本で見ていると、単なる戦争映画に見える。単純で分かりやすく、製作費もかかっていてドンパチがあり、ハラハラドキドキもあって、泣けるシーンもある。娯楽大作となっている。

が、これはある種のプロパガンダ映画であり、まさに「ベトナムは聖戦だった!」とアピールする作品なのだ。単純明快な構図。北ベトナムは悪逆非道。南の女子供も平気で殺害。人権無視の危険な罠を仕掛けて、悪辣な活動を続ける。それを阻止し、南を助けようとするのが我らが?アメリカ軍という物語だ。まるで西部劇。悪い連中が街でのさばっている。そこに派遣されるのが連邦保安案。住民を救い、悪を打つ。しかし、ベトナム戦争はそんな単純なものではない。

公開は1968年。背景にあったのはアメリカ国内における反戦運動。
「いちご白書」等で描かれたように国内では戦争反対の声が学生たちを中心に上がり、世論はベトナム介入に反対だった。そんなその中で米軍がいかにベトナムに参戦する必要があるか?をアピールするために映画だった。

ストーリーも巧妙で、戦争に懐疑的である新聞記者役のデビッドジャンセン(逃亡者の主人公!)が従軍記者としてベトナムへ。そこで見つめる北軍の蛮行。殺される南部の住民。と映画を見ていると「こんな哀れな人たちを放っておいていいのか!」「アメリカは南を救わなくてはならない!」と思うように作られている。

しかし、実際のベトナム戦争はこの映画のようなものではなく、それこそ「プラトーン」「ディアハンター」であった。アメリカ軍が巻いた枯葉剤のために、奇形児が生まれたり、多くの住民が殺害。同時に多くの米兵も死んだ。このベトナム戦争。大義としては共産主義を止めるためであった。北を支援したのがソ連。南がアメリカ。代理戦争だったのだ。

同時に戦争をすれば儲かる企業がある。少しでも長く続けたい。勝つ負けるでなかったと言われる。その戦争を止めようとしたのがケネディ。そして暗殺された。後継のジョンソンはより多くの郡を投入。その後のニクソンはベトナム撤退を公約に大統領選に出たが、当選すると続行を決意する。

この流れだけ見ても分かるが、巨大な力が戦争を続けさせようとしたのだ。例え大統領を殺してでも。その視点で現在の大統領選を見るとよく分かる。戦争を4年間しなかったトランプ。彼は差別主義者と呼ばれて、今、引きずり下ろされそうになっている。あの時のケネディと同じだ。その後に控えるジョンソン、ニクソンが今回でいうバイデン 、ハリスなのだ。そう考えると、彼らがどんな役割なのか?すぐに分かる。

また、映画「グリンベレー」はファンタジーとも言える事実とは違った内容で、「南ベトナムを助けよう。悪辣な北を粉砕しよう」とアピールするのはまさに太平洋戦争中の日本だ。「鬼畜米英」と敵国のイメージを悪くして戦意を掻き立てた。しかし、ベトナム戦争がどんなものであったか? 日本の教育ではしっかり教えない。だが、映画を見ればその辺も見えて来る。「グリーンベレー 」と「プラトーン」を比べればあれこれ気付いてしまう。


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