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「男組」40年ぶりに読んだ。1970年代の作品とは思えないクオリティ! [2020]

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「男組」40年ぶりに読んだ。1970年代の作品とは思えないクオリティ!

神竜が幽閉されるまではしっかり覚えていたが、40年前に読んだ漫画。その後はウル覚え。でも、ラストシーンは明快に記憶していた。好きで読んだもの。観たものは覚えているものだ。

さて、読み終わり感じたのは、原作の雁屋哲は「美味しんぼ」の作家とは思えないほどの硬派で社会派。いや、その精神や思いは「美味しんぼ」にも引き継がれていること感じる。影の総理の経歴は児玉誉士夫や笹川良一そのもの。神竜がやろうとしているのは、まさに日本の教育システムの延長線。大衆はブタだ。と言うのは彼が悪役であるからと言うことではなく、まさにある真実を言い当てている。

流全次郎が命がけで学園を守ろうとしているのに、何度も裏切る生徒たちはまさに日本国民だ。「神竜は酷い」と言いながら、恐怖に直面すると神竜側に擦り寄る。自民党と国民そのもの。その意味で主人公の流は山本太郎にさえ見える。また、これは親と子の物語でもある。全次郎と父。神竜と影の総理。父と子。この構図は「美味しんぼ」の士郎と海原雄山と同じだ。

流が掲げる理想。その精神は原作者の雁屋哲自身のものであり、それは「美味しんぼ」の「福島の真実」に引き継がれている。国民を操り、支配する影の総理と、原子力ムラは同じような存在なのだ。流が物語でやり遂げようとしたことを、雁屋哲は「美味しんぼ」でやろうとしたのだ。

1970年代後半。似たタイプの劇画で「愛と誠」があったが、「男組」の方が強い印象が残ったのはそんな社会派ドラマであったことが理由だと思える。そして「愛と誠」が人気が出たら延長という形で連載されていたので、物語が進むとより強い敵が現れるお馴染みのパターンで描かれいた。対して「男組」は敵は最初から神竜剛二。少し後に存在が現れる影の総理だけである。

さらに、あの長い物語にも関わらず、第1回から伏線が貼られていて、それが数年後に訪れる最終回で生かされる。他にもいくつもの謎があり、それは最初から設定されている。つまり、複雑な背景設定は連載開始時から作り上げていたということ。もし、人気がなく打ち切りとなると、それらは回収されずに終わったのか? 当時も今も、そこまで計算され、背景が作られた作品は少ないだろう。

神竜も単なる悪人ではなく、日本を動かす支配者たちの存在は今も通用する。というか、現政権を思わせる


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