SSブログ

映画のタイトル。付ける時に大切なこと? あれこれある! [映画業界物語]

84636195_3424920754248871_5967413632483459072_o.jpg

映画のタイトル。付ける時に大切なこと? あれこれある!

タイトルは映画の顔。とても大事だ。まず、どんな物語であるか?伝える。感じてもらうことが第一。次に「見たいな!」と思わせること。物語だけでなくテイストも伝える。喜劇か悲劇か?アクションか?ラブストーリーか? そして覚えやすいものでなくてはならない。

まだまだ、あるが、とりあえずタイトルだけでいうと以上の点が大事。原作がある場合は、原作通りであることが多いが、オリジナル脚本の場合は脚本家や監督が命名する。黒澤明作品は以上のような点が非常にうまく出来ている。「生きる」物語はまさに、人はどう生きるべきか?という話であるし、短いタイトルで覚えやすい。

「天国と地獄」は原作のタイトルは「キングの身代金」だが、オリジナルと言っていい物語。犯人の家と被害者の家を比較すると、まさに天国と地獄。三船と山崎の個性も対比している。ジブリは「***の***」を付けると大ヒットするジンクスがあるということで、そのパターンが多い。「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「崖の上のポニョ」「となりのトトロ」

自作も振り返ってみる。太田組作品は有名な歌からもらっていることが多い。ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、アニマルズ。そのことで、元々多くが知っているタイトルであるので覚えやすい。そしてタイトルが物語を象徴している。原発事故の映画だからと「原発パニック」とか「恐怖の放射能」ではパニック映画と思われる。

悲しみの物語で、家を失う結末なのに「朝日のあたる家」というところが悲しいし、印象に残る。「向日葵の丘」も歌のタイトル。松田聖子のアルバム「パナップル」の1曲で、「ひまわりの丘」というのがある。それを感じで「向日葵」にした。丘とか、場所とか、家という言葉は文芸作品の香りもある。それで「向日葵の丘」咲き誇るひまわりが過ぎ去りし夏の思い出を象徴させた。

だが、タイトルは難しく。最初はあれこれ反対する人が必ずいる。シナリオを読んでもいないのに「何か違う!」と批判する者もいる。が、タイトルというのは何度も繰り返し口にすることで、馴染み。それ以外にないような気がしてくるもの。そして僕の経験だと批判するほとんどの人がそれ以上の代案を出すことはない。また、タイトルはタイトルのみで判断してはいけない。ポスターの写真。キャッチコピー等とのバランスも大事。

まあ、子供ができた時に名前は何にしようか?というような感じで、色々、苦労が多い。次回作が決まればまたそれで四苦八苦するのだろうなあ...。


78333202_3245059878901627_1537660045007781888_o.jpg
コメント(0) 
共通テーマ:映画

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。