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映画完成後の監督の日常。意外に知られていない。僕の場合はこんな感じ? [映画業界物語]


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映画完成後の監督の日常。意外に知られていない。僕の場合はこんな感じ?

事務作業がもう少しで片付く。大監督となら事務所でスタッフがやってくれる仕事。それほどでない監督なら、映画が完成すればあとはマスコミ取材と舞台挨拶をすればOK。僕は何でこんなことをやっているんだ?と考えていて、そうか、これはプロデュサーの仕事なんだ!と気づく。宣伝材料の制作。解説を書く、あるいは書いてくれる人に頼む。関係者に連絡する。手紙を出す。宣伝プランを立てる。

そうPが宣伝会社と打ち合わせして進めるべきこと。そこで「監督、すみません。パンフレットにメッセージを書いて頂けますか?」とか頼まれて「ああ、いいだろう」と引き受けるのが本来の監督。あとは「次回作は何がいいかなあ。今、人気の小説でも読んでみるか?」と悠々自適なのが本来の監督。いや、それはちょっと大物の監督。

そこそこレベルの監督なら、次の仕事。映画でなくても、生活のための仕事を探して、あるいは頼まれて、それにかかっている。完成した仕事に何ヶ月も費やしたりはしない。まあ、このおかしな状態は低予算映画ということで、出来てしまうもの。

               *

人を雇うには金がかかる。雇わなければ誰かがノーギャラでやるしかない。宣伝会社は金を出して雇うにしても、宣伝費が安ければ、担当するスタッフも少ない。人手が足りない。だから、僕も参加して、宣伝員として動くしかない。その上、沖縄戦に関しては僕が一番詳しい。知らないと解説も書けない。だから、僕が書くのが一番早い。もちろん原稿料はなし。そんなのもらったら、別の宣伝で支障をきたす。宣伝費は信じられないほど僅かだ。

ただ、デザイナーさんは必要。ちゃんとギャラを払ってお願いする。間も無く、第一案ができてくるはず。そうすればあれこれ展開が出来る。1本の映画が完成すると、そんな感じで僕は公開まで忙殺される。なのだが、ようやくその映画が公開されたたとき、その映画に関わったロケ地の人に言われたことがある。

「監督。映画が完成してから何してたんですか? 何ヶ月も? 芸術家は仕事しないで、毎日ダラダラして過ごすと聞きますけど、やはりそうなんですか?」

あんたの町の映画を宣伝するために、ノーギャラで奮闘して来たんだろ!お前こそ、ポスター1枚貼ろうとせず何してた!と怒鳴りそうになったが、あまり怒りがこみ上げて言葉にならなかった。ただ、映画監督業の、特に僕のようなやり方は理解されにくい。が、それをいちいち説明するのもどうかと思う。そんなことを言う地元の人もいるが、多くは映画が完成して喜んでくれる。

そんなこんなで毎日があっと言う間に過ぎていく。近日中にワークショップの会場。下見に行かねば。あ、**さんにも電話だ


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