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沖縄戦と福島の原発事故は同じ構図。地方に犠牲を強いるやり方は今も変わらない。 [戦争について]

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沖縄戦と福島の原発事故は同じ構図。地方に犠牲を強いるやり方は今も変わらない。

沖縄戦を取材する前。こんな風に思っていた。

「アメリカ軍が沖縄に上陸。日本の一部である沖縄を守るために日本軍は戦った。が、米軍は強大で小国日本の軍隊では歯が立たず、おまけに人も武器も十分にないのでボロ負け。米軍は多くの住民をも殺して沖縄を占領した」

ーこの認識は正しくない。何でこんな風に思ったか?映画等で見かけるシーン。防空壕に隠れる住民を米軍が火炎放射器で焼き殺す場面が記憶にあったからか? 日本は軍事大国であるアメリカに量で負けたという印象があったからだろう。

確かに量では負けたが、当時の日本は世界有数の軍事大国だった。ミッドウェイ海戦で多くの軍艦を失ったが、陸軍にはまだ余力があった。にも関わらず、沖縄には32軍のみを配置。その中の主力部隊を台湾に回すななどしている。なぜ、そんなことをしたか?というと本土決戦に主眼を置いていたので、軍を温存したかったのだ。そのために沖縄上陸の米軍50万人に対して日本軍は5万人という信じられない戦力で立ち向かわせた。

その目的は米軍殲滅ではなく、時間稼ぎ。本土決戦の準備をし、天皇を安全な場所に移すのに時間がかかる。そこで米軍に勝たなくてもいい。時間を稼ぎ、打撃を与えて米軍の戦力を衰えさせること。兵士の数が十分でないのに「1人が10人を倒せば勝てる!」と精神論をぶち上げ、14歳から70歳までの住民を戦闘に動員している。そのために住民の戦死者が兵士の3倍という悲劇が起きたのだ。

また、米軍の火炎放射器で焼かれて死んだ多くの住民も、当時の教育が大きく影響していた。「囚われて恥を晒すくらいなら自決せよ」という教え、当時の風潮があり、降参すれば米軍は殺さないのに壕(防空壕、洞穴)に立てこもったことで米軍に焼き殺された。つまり、沖縄は本土を守るための捨て石にされた。時間を稼ぎ、米軍の体力を奪う。全て本土、つまり大本営を守るためだった。


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同じ構図を思い出す。福島だ。大規模な電力を作るために危険な原発を建設した。事故が起こり大きな被害が出た。しかし、福島で作った電気は福島で使わず、全て東京の生活を支えるためのものだった。そのために犠牲になったということ。沖縄戦と同じ構図。いつの時代も政府がやることは同じだ。なぜ、沖縄戦の映画は作られないのか? なぜ、学校で沖縄戦を詳しく教えないのか?事実を伝えたくないという背景があるようにも思える。

そんな沖縄。現在は米軍基地を押し付けられている。米兵による暴力事件。墜落するオスプレイ。毎回、犠牲になるのは沖縄の住民。しかし、沖縄戦と同様に、本土の人間は他人事でいる。全ての始まりは沖縄戦。それを見つめる「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」は今秋に沖縄で完成披露試写会を準備中とのこと。ぜひ、見て頂きたい。


特報=> https://youtu.be/Wv5MK0fRauI

予告編②=>https://youtu.be/sGFjWg0fo00


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