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「久米宏です。」読み終わる。時代を築いた人の言葉は職業を超えて学ぶべきことが多い。 [読書]

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「久米宏です。」読み終わる。時代を築いた人の言葉は職業を超えて学ぶべきことが多い。

面白かった。「ニュースステーション」で数々の努力をしていたこと。この本を読んで知る。久米さんは話し方、ファッション、小道具、何より話し方。その内容をとことん考えていた。朝から新聞やニュースをチェック。誰も言っていないことを番組で言おうと考えた話。NHKニュースとは違う上から目線でない、庶民目線の番組にすること等。成功の秘密が綴られていた。

面白いのは「全員に好かれたら終わり。6割に嫌われて、3割に好かれるのが一番いい」という話。それでも20%の視聴率が取れるから成功という。確かにそうだ。僕も最近気付いたが、日本人は皆に好かれることを望む。親は「みんなに好かれる子になって欲しい」とよくいう。しかし、誰かに嫌われるから別の誰かには好かれる。みんなに好かれるには皆にいい顔をせねばならないのだ。それでは何も出来ない。

映画でも5人に絶賛。5人に酷評される作品がヒットする。「2001年宇宙の旅」も「地獄の黙示録」もそうだった。そんな映画は名作となり後世に残る。「ニュースステーション」も視聴率が15%の頃がいろんな挑戦ができてよかったというが、20%30%となると、逆に難しくなったという。それもよく分かる。低いレベルの話になるがFacebookでも数百の時は「お友達感覚」で記事をアップできたが、3000を超えた辺りから、あれこれ批判や中傷が増えてきた。

久米さんは一時期、脅迫や嫌がらせが頻繁に起こり、ボディガードをつけていたことがあるらしい。でも、発表すると模倣犯が続出するので一切秘密。トイレに入るときもまずボディガードが確認してからという日々だったという。あと、一番強く共感したこと。

「公正中立な報道などあり得ない。取捨選択する段階で攻勢を逸脱している」

という話。似たような話を僕も以前書いたが、今更、「中立公正が報道」だと、あの政権が言い出して「偏向放送」とか因縁をつけているが、自分たちに都合の悪いものをそう呼んでいるだけ。なのに多くの人が「報道は中立公正が大事」と乗せられている。それは違うことを80年代に久米宏は指摘している。

また、「ニュースステーション」を始めてからは政治家とは一切の付き合いをせず。放送が終わり反省会をしたらまっすぐに帰ったという。これも強く共感する。映画監督業も同じで、いろんな人と会うがプライベートで俳優やスタッフと深い付き合いをすると、甘えが出て作品に影響する。結果、恨まれたり、期待してくれたがばかりに「裏切られた」と言われたりする。

あれこれ自身にも言えることがあり、とても参考になる。時代を築いた人の生き方や考え方は職業を超えて勉強になる。


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早田快人

私もちょっと前に、興味をひかれて読みました!

一見、軟派なイメージの久米氏でしたが、実に気骨のある方なんですね。トミー・リー・ジョーンズへのインタビューで、「エール大学を卒業しながら、なんで俳優なんですか?」と質問しているのを見て、なんて失礼な人だ!と思ったのを覚えていますが、この本を
読むと、そういうのもすべて意図(他の報道では見せない相手の一面を引き出す)があってのことだったと知りました。にしても、際どいですけど。

今は土曜日、昼一時からの「ラジオなんですけど」という番組での歯に衣着せぬしゃべりで、テレビ以上に氏の気骨を発揮してますね。信念を、固くならずにユーモアのオブラートと共に明るく語れる氏のパーソナリティは貴重で、毎週楽しみにしています。
by 早田快人 (2019-09-12 02:38) 

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