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ドキュメンタリー映画「主戦場」超オススメ!=今、そこにある日本の危機を叫ぶ力作! [映画&ドラマ感想]

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ドキュメンタリー映画「主戦場」超オススメ!
=今、そこにある日本の危機を叫ぶ力作!

従軍慰安婦問題。僕は詳しくない。日本軍が関与していたのか? そうではないのか? その責任を韓国は日本政府に突きつけている。ということしか知らない。この映画を見れば勉強になるだろうと考えた。かなり話題になっているようで、東京では初日からしばらく満員御礼。1日7回上映だがチケットが取れないとの噂。「エンドゲームか?」と思えたが、先日映画館に向かった。

聞いていた通り、軍の関与を否定する側と日本の責任を問う側、それぞれの論客のインタビューを交互に見せて行く。ケント・ギルバート、杉田水脈、櫻井よしこ等、いろんな意味で話題の人たちも登場する。この種のドキュメンタリーだけでなく、ニュース報道もそうだが、僕は両者を共に疑ってかかる。胡散臭い人物でも、有名キャスターでも、まず疑う。特に最近はテレビ報道を一番疑う!

「真実は別のところにあるのではないか?」「なぜ、その意見に至ったのか?」「そのことでどんな得をするのか?」「どういう背景の人なのか?」「どういう立場の人なのか?」徹底して疑う。「従軍慰安婦だった女性が可哀想だし!」という感情論で見てはいけない。「世界まるごとHow Much」時代よりケントの顔付きが悪くなったからと、最初から色眼鏡で見てはいけない。

以前、記事にもしたが、最近は「被害者商法」というのが多い。誰もが哀れに思う被害者こそが実は加害者であったり、実は裏で儲けていたりということがある。正義を掲げているようでも、実はある種の団体の利益のために動いていることもある。そんな視点で見て行くと、この作品は最初の部分。慰安婦否定派の意見の方が理にかなっているように思える。

作品も、そのことをアメリカの大学生たちに問う。「証言に一貫性がない」「証拠書類がない」その事実に「信じるのが難しい」と多くの若者が発言する。実際、僕もある筋から聞いたが、国や軍が関与した証拠のとなる書類は存在しないという。どんなに疑わしくても、物証がないと裁判では勝てない。「どうするのだろう?」と考えながら見る。

僕も「ドキュメンタリー沖縄戦」に取り組んだので「見せ方」というのをかなり考えた。マイケル・ムーア監督は「うまい」が「あざとい」ギリギリのところで成立している。一つ間違えば「電波少年」の松村邦洋と変わらない。と言って作品は裁判ではない。物的証拠がなければ推定無罪ということでもない。作品は否定派論客たち(ケントたち)の、些細な部分を追求する。

「警察が取り締まったという新聞記事が残っている」「アメリカの調査報告書でも否定された」等の発言を調査。拡大解釈をしていたり、実は調書では触れられていなかったり。フェイクであることを立証して行く。「**新聞に」「調査報告書に」「法律に記載されている」と言われると「そうなんだ...」と納得しがちだが、実はそうではないことがある。100%の嘘ではなく、ある種の事実を捻じ曲げたもの、知らないと押し切られてしまう。

そんなトリックを刑事コロンボか、古畑任三郎にように指摘、追求して行く。つまり、物証はない。訴える女性たちの話は一貫しない。でも、だから作り話ということにはならない。「実際に従軍慰安婦は存在した」にはならないのだが、この作品は次にこんな疑問を投げかける。

「では、なぜ否定派はフェイクを使ってまで否定するのか?」

ここからが凄い。従軍慰安婦問題に終わらず、別の構図が見えてくる。もしかしたら、監督はそのことを描きたくて、作品を作ったのではないか?と思える展開。ある程度のネタばらし(?)はいいだろう。否定派=歴史修正主義者たちの背後にいる団体が「日本会議」であることが解明されて行く。

そこに連なる人たち。安倍晋三、麻生太郎ら多くの自民党議員。閣僚の約70%は日本会議である。そこに関係するのが映画に登場し、インタビューを受けた否定派の人たちだ。彼ら彼女らが何を目指しているか? それを描き出して行く。よくぞ、そこまで描いた!という超力作ドキュメンタリーだ。日系2世のアメリカ人だからこそ出来た作品でもあるだろう。

詳しい部分はぜひ、映画館で確かめてほしい。従軍慰安婦問題に終わらない、日本の「今そこにある危機」を描き、見つめるのがこの「主戦場」である。日本人必見というのを超えて、アジアの人間必見の作品となっている。超オススメ!



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